梅雨から夏にかけて、
日本は高温多湿の季節を迎えます。
この「湿気」は中医学でいうところの
「湿邪(しつじゃ)」のひとつ。
特にこの時期は冷たい飲食や冷房による
冷えで胃腸(脾胃)の機能が弱まりやすく、
体内に余分な「湿」と「熱」が
溜まりやすくなります。
これが、いわゆる「脾胃湿熱(ひいしつねつ)」です。
脾胃湿熱が体に溜まると、
胃もたれ、食欲不振、口の苦み、口臭、
軟便や下痢、さらには体が重だるい、
吹き出物が増えるなど、
さまざまな不調が現れます。
冷たいビールやアイス、冷やし中華など
夏の美味しさも、この湿熱体質には
実は大敵。
過度に摂り続けると湿熱がさらに
悪化してしまいます。
そんな時におすすめなのが、
体内の余分な湿熱を散らし、
脾胃を助ける「温灸ケア」です。
特に夏場は外気も暑いため、熱感が強すぎる
灸は避け、穏やかな温かさでケアする
のがポイント。
温灸器や電子温灸器など、
熱さを調節できる道具がおすすめです。
夏の脾胃湿熱対策として
おすすめのツボは、次の3つです:
中脘(ちゅうかん):
みぞおちとへその中間にあり、
胃腸の調子を整えます。
胃もたれや食欲不振に。
足三里(あしさんり):
膝のお皿の下、指4本分
下がったところのやや外側。
胃腸強化と疲労回復に。
陰陵泉(いんりょうせん):
膝の内側、脛骨の際を
たどって指が止まるくぼみ。
体内の湿を排出する働きがあります。
当て方の目安は、
”湿熱”がおすすめ
ウェットティッシュに
ビワエキスを湿らせて
1箇所につき10秒分程度
中脘ー足三里(左右)を交互に
行いましょう。(1分ほど)
また陰陵泉は陰経のツボなので
置灸がおすすめ
また上級コースまで受講
されている方なら理解していますが
ツボを触ってみて、熱を帯びていたら
放射灸をしましょう
心地よい温かさを感じる程度に留め、
汗をかきすぎないよう涼しい
環境で行うこと。
毎日でなくても、胃腸の重だるさや
不調を感じたときのケアとして
取り入れてみてください。
夏を快適に過ごすために、
脾胃湿熱ケアをぜひ習慣に
してみましょう!