最近は鍼灸師の先生から
「動灸」温灸器を導入したいけど
お灸との違いをご質問されます。
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お灸には「直接灸」「間接灸」があります
直接灸は
皮膚に直接もぐさを置いて施灸します。
「高温」刺激で皮膚に熱を注入します
高温に反応するセンサー(TRPV1温度受容体)が
作用し、疼痛抑制反応とともに副腎皮質ホルモンを
刺激します。
間接灸は
もぐさ の下に灸点紙や膈物(紫雲膏や塩、味噌など)
をひき温度を和らげます。
間接灸の場合は暖かい温度に反応するセンサー
(TRPV3と4)が反応し熱刺激性伝導に
関与すると考えられています。
灸刺激により体表の体性感覚神経に存在する
熱関連受容体であるTRPV受容体が関与し
ポリモダール受容器からC繊維を介し
疼痛の軽減。自律神経の調整作用が行われます
またもぐさの揮発成分(チネオール)などが
血液中の白血球の増加や疲労物質発生の遅延など
が認められています
![](http://biwaonkyu.siseidou.com/wp-content/uploads/2023/12/Moxibustion_Close_Up-732x549-Thumbnail-300x225.jpg)
動灸温熱灸は
直接灸に近い「置灸」(45度の熱)
間接灸に近い「透灸」(40度以下)
があります
温灸器の熱源は
”遠赤外線”熱で機器によって40度〜100度近い
熱源に設定されています。
熱伝導が一定で体内に1cmまで熱刺激を届けます
また「周波数」の波形を変える事で
鋭い刺激「ひびき」を皮膚に与える事もできます
高閾値機械受容器(Aσ繊維)を反応させます
お灸は熱刺激が皮膚に浸透するような感覚です
動灸温熱器は遠赤外線の増幅作用により
熱が広い範囲に広がるイメージになります
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したがって受けた人の感覚も違います
お灸は熱が浸透する深さが強いので
熱刺激による遅効時間が長く
自律神経反射の効果は長く続くような気がします
保温効果、血液循環の巡っている感覚は長く
そのため”灸あたり”(けだるさ、眠気)が強く
出るのも特徴です。
![](http://biwaonkyu.siseidou.com/wp-content/uploads/2023/12/images-1.jpeg)
反対に動灸温熱器では
熱浸透範囲が広く ツボの効果に直接作用する
刺激は少ないですが
動かして使うため
触・圧受容器反射が刺激され
Ⅱ群神経繊維にも働きかけるので
(温熱のみはⅣ群神経繊維)
疼痛緩和刺激が優れており
患部の痛み緩和においては
すぐれた効果を発揮します
また皮膚刺激による熱伝導の効果は
ストレスや痛み刺激によって副腎髄質から
大量に分泌するカテコールアミンの量を
抑制する働きがあり
また皮膚に器具で接触刺激を加えると,快中枢(報酬系)と
して知られる脳内のドーパミン作動性神経系が投射する
部位(側坐核)において,ドーパミン放出が増加することも
証明されています
さらに動灸温熱療法は
その緩衝液として
「アロマ精油」「ビワの葉エキス」「栄養クリーム』
などを使用して使うので
そうした副産物による効能もプラスされるのが
さらに嬉しいですね!
![](http://biwaonkyu.siseidou.com/wp-content/uploads/2023/12/output-300x300.png)
そうした機序から
プロの先生からも
お灸とは違う施術法として
動灸温熱療法を加えている方が増えています
ぜひ鍼灸師として開業されている方にも
動灸温熱療法をお勧めします