脾の大絡「大包」の使い方

教員として30年勤務を
続けてきた男性が

メンタルの調子を悪くして
半年間休職を余儀なくされました

「食欲不振」「中途覚醒」
「咳喘息」「手足のむくみ」が
出現しています

内科・心療内科・循環器を掛け持ち
しており

私の治療室に相談に来た時には
8種類の薬を処方されていました

体重も8キロ減少
運動する気にもなれず
筋力が低下していき

最近は 体に力を入れると
震えるような状態です

問診で生活習慣を聞き出し
東洋医学診断
・舌 ・脈 ・お腹
・首 ・手足の要穴を押す・・・

反応を聞き出します

「氣」「血」も低下
舌には歯形がつき(気虚の病態)

脈は「沈んで・細く・弱い拍動」

お腹の検査では左側に圧痛が出現します

全体的な臓腑の働きが弱っているのは
もちろんですが

気血の生成に関わる「脾」の働きが低下

脾の「気血生成」を促す「補氣や養血」
のツボを選んで、温灸をします

足の太陰脾経に点在するツボに「置灸」を
行います

次に経絡の走行に沿って「動灸」を行います

さらに腹証で募穴に内臓の機能低下を
表す陥凹を見つけたので

全ての「生理物質」を循環し
臓腑の働きを高めるツボを選択します

「大包」は万能ツボです

大包は「脾の大絡」とも呼ばれ
全身に巡る気血を統括し、臓腑四肢、
つまり全身にくまなく滋養をする
働きがある経穴。

それぞれの臓腑の反応点である
募穴にも繋がっています

施術後 力を込めてもらっても
筋肉の震えはなくなり
心身もスッキリしました

背術を受けたその日から
朝までぐっすり眠れるようになり

やがて通院(週に1〜2回)してくれ
薬が1種類づつ辞めれるようになり

最終的に断薬まで漕ぎ着ける事が
できました。

本人も大変喜んでおります


脾が所属する「土」は
他の五行との関係は「脾は土」にあたります

薬や生活習慣を変えても
そもそも氣・血の量をはるかに失うと
かなり戻すのは大変です

そもそも我々の「氣」は先天の精
後天の精に別れ

先天の精に関しては「両親から」
受け継がれ「腎氣」として使われます

反対に後天の精は
飲食物から作り上げるもので
この働きが弱いと

気血の量・質ともに病気になります

そのため五行の相関図の中でも
「脾」は中心に据えられ
飲食の精微から体内に蓄えられるので

セラピーで脾の大絡を刺激して
各臓腑に「生理物質」を循環させます

相談に来た男性も
施術後には手足のむくみは解消され

体がポカポカと温かい
体調がスッキリして
気持ちも明るくなります

脾が所属する「土」の五志は
「思」です

メンタルが落ちた人も
脾「土」のバックアップは必要です

施術を週に2回受けてもらい
2ヶ月が経過した頃には

メンタルヘルスは解消され
薬も断薬し、仕事に復帰されました

気血が落ちている人に
大包は必要な治療穴です

 

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