
東洋医学では病気の原因を3つに分けます。
それが「外邪」「内因」「不内外因」です。
「内因」とは体の内側から発生する病気の原因のことで
主に「喜・怒・思・憂・悲・恐・驚」という過度な感情<七情>が原因となるものを指します。

これらの感情が長期間続くと五臓六腑や気血のバランスを崩し、様々な症状を
引き起こすと考えられています。
不内外因とは飲食の不摂生(食べ過ぎ、偏食など)や過労・運動不足、性生活の不摂生、外傷(怪我、打撲など)などが含まれ、日常生活の乱れによって生じる病の原因とされます。

そして外因の原因となるのが「外邪」です。
「外邪」とは、自然界の気候の変化が体に悪影響を及ぼすもの。
これを「六淫(りくいん)」と呼び、「風・寒・暑・湿・燥・火」の6種類があります。

【六淫弁証】「六淫」とは、風・寒・暑・湿・燥・火という、自然界の気候が
体に悪く働いたときに起こる病気の原因のことを指します。
それぞれの気候の性質が強くなりすぎたり、
体が弱っていたりすると、体のバランスが崩れて不調になります。六淫弁証では、どの気候の影響を受けたかを見極めて治療法を選びます。

◆風淫証候(ふういんしょうこう)
【説明】春に多く見られ、風のように素早く、体の上の方や表面に影響を与えます。
ほかの邪気(寒・熱など)と一緒に現れることもあります。
【主な症状】悪寒や発熱、頭痛、鼻水(透明)、喉のかゆみ、めまい、筋肉のけいれん
◆寒淫証候(かんいんしょうこう)
【説明】冬に多く、冷えによって気や血の流れが悪くなり、体がこわばったり痛んだりします。薄着や冷たいものの摂りすぎにも注意が必要です。
【主な症状】強い寒気、体の痛み、頭痛、無汗、透明な鼻水、手足やお腹の冷え、下痢
◆暑淫証候(しょいんしょうこう)
【説明】夏の強い暑さによって起こり、高温多湿の環境で体内に熱がこもり、体液が失われやすくなります。
【主な症状】高熱、顔の赤み、のどの渇き(冷たい水を好む)、多汗や全く汗が出ない、だるさ、イライラ、小便が黄色く少ない。重症の場合は意識がぼんやりすることあり
◆湿淫証候(しついんしょうこう)
【説明】梅雨時など湿気が多い時期に起こりやすく、体の中に余分な水分がたまりやすくなります。胃腸の働きも落ちやすくなります。
【主な症状】体が重くだるい、頭が重い、むくみ、尿が出にくい、お腹の張り、食欲不振、水っぽい下痢、湿疹など。
◆燥淫証候(そういんしょうこう)
【説明】秋の乾燥した空気が原因で、体の潤いが失われやすくなります。特に肺や皮膚に影響を与えます。
【主な症状】口や鼻、のど、皮膚の乾燥、乾いた咳、痰が少ない、便秘、髪や肌のかさつきなど。
◆火淫証候(かいんしょうこう)
【説明】暑さが長引いて熱が体にこもったり、強いストレスなどで体内に“火”が生じたときに起こります。炎症や出血を伴うこともあります。
【主な症状】高熱、顔の赤み、目の充血、のどの痛み、口の渇き、イライラ、血尿・血便・鼻血、皮膚の腫れや化膿など。
この時期は「燥邪」が増えます。
みなさん気をつけましょう!



























