ビワの葉栄養成分

ビワは、バラ科の植物で、アンズモモ、りんご、梨、桜など仲間です。
成長すると10mほどの高さにもなる常用樹で、太い枝に濃緑色の葉が茂ります
葉の形は、長さが15〜22㎝、幅が5〜8㎝の長楕円形で葉肉は厚く固い。
表面は、ツルツルと光沢があり、裏面には淡褐色の細かい毛が生えています。

毎年11月〜1月の寒い季節に花をつけ、果樹が実ります。
梅雨の頃から夏にかけて熟す生命力旺盛な植物です。

 

中国の漢方書『本草網目』にはビワの葉の効能を次のように紹介しています。
「嘔吐止まらぬもの、産後の口乾、煮汁を飲めば渇疾に主効があり、肺気熱噺および肺風瘡、胸、面上の瘡を治す。胃を和し、氣を下し、熱を清し、暑毒を解し、脚気を療ず」

漢方薬では甘露飲・辛夷清肺湯などに含まれています。
生薬の枇杷葉(ビワヨウ)は、バラ科のビワの葉
を乾燥させたものです。

漢方的には止咳、止嘔などの効果があり、咳噺(せき)や痰(たん)、嘔吐などに用いられます。

またあせもや湿疹などを改善する入浴剤としても用いられます。

 

クエン酸
〜食欲増進、疲労回復、尿酸値の減少、尿路結石の予防、ビタミンB群の吸収促進、ミネラルの吸収促進

タンニン
〜美白作用、抗酸化作用、下痢の改善、肝臓強化

サポニン
〜肥満の予防、コレステロールの除去、動脈硬化(血管の酸化予防)、抗アレルギー作用、糖尿病の予防、免疫向上

アミグダリン
〜ビタミンB17、抗がん作用、血液浄化作用、鎮痛作用
消炎作用

アミグダリンは、ドイツのリービッヒという化学者が1830年頃に発見した物質でビタミ ンB17と呼ばれています。

その成分は、微量の青酸を含む糖質から成っているので「ア ミグダリン青酸配糖体」と呼ばれ 一般的には、無条件で猛毒と言われる青酸ですが、 びわの葉に含まれるアミグダリンは微量なうえ、糖が結合している配糖体で不活性物質 です。

さらに、体内に入ると青酸とベンツアルデヒドという物質を発生するものの 体を保護する酵素(ローダネーゼ)の働きで安全無害な物質に変化、毒素として作用し ないことが実証されています。

自然界には、人間が食用とする千二百種類以上の植物にアミグダリンが存在するといわ れており ウメ、アンズ、プルーン、モモ、サクランボ、リンゴ、セロリ、 セリ、アーモンド、タケノコ、玄米、大豆、小豆、蕎麦、ゴマなどがあります。

びわの葉には、20ppm含まれていて、びわの種には、びわの葉の1200~1300倍のアミグ ダリンが含まれているのです。

種を粉末にして飲用する健康法がありましたが 現在は毒性が指摘され飲用が制限されています。

アミグダリンが体内に入ると、ガン細胞の中に大量に含まれているベータ・グルコシタ ーゼという特殊酵素によって加水分解され、青酸とベンツアルデヒドとが遊離します。

ガン細胞は、この二つの物質の相乗毒性により破壊されてしまいますが正常細胞にはロ ーゼネーダという 保護酵素があって両物質を無害な物質に変えてしまうために影響を受けません。

顕微鏡でみると、ガン細胞がまるで殺虫剤をかけられたハエのように死んでいくそうで す。

また、アミグダリンが分解されてできる安息香酸は、「抗リウマチ」「殺菌」「鎮痛」 に効果を発揮。 中でも鎮痛効果は絶大で、末期ガンの痛みを和らいだり、神経痛や捻挫の痛みなどにも 効果的です。

(研究1)

日本でのビワ研究先駆けは、昭和初期に福島鐵雄博士(札幌鉄道病院)が臨床に使用して効果をあげました。

「皮膚を通して行う青酸療法」として発表

「皮膚を通して行う青酸療法」では、下記の臨床が記録されています

1・内科的疾患 61例

2・外科的疾患 21例

3・小児科的疾患 2例

4・産婦人科的疾患 13例

5・眼科的疾患   4例

6・皮膚科および泌尿器科的疾患 8例

7・精神科的疾患 1例

8・整形外科的疾患 10例

9・耳鼻科的疾患  2例

10・歯科的疾患  1例

(全症例 123例を紹介する)

 

(研究2)

1937年、大阪大学の安田寛之博士がびわの葉で動物実験を行い、その結果を学位論文 「血液の酸・塩基平衡より観たる枇杷葉療法」と発表。

この研究は、体重500gの家ウサギを使い、びわの生葉75gを金属製の円筒の中に入れて加熱し そこからびわの葉の成分を含んだ蒸気を導き出し、体毛を短く切り刈った家ウサギの腹部に約9cm のところから吹き付けました。

これにより、家ウサギの濁った血液がわずか5分間で弱アルカリ性に浄化されたというものです。 さらに30日間施術したところ、骨組織もしっかりとし、体内臓器も健康になり、体重も増加しまし た。

 

(研究3)

大阪大学医学部の小沢凱夫教授の下で行った実例は、陰茎ガンの患者の背部、腹部、局所を1日3回 1時間ずつびわの葉で治療したところ49週目でガン細胞は全滅し、健康な組織が蘇ってきました。

 

(研究4)

1950年、アメリカサンフランシスコの生化学者、アーネスト・クレブス博士は、 ガンになる人がほとんどいないフンザの人々が、アンズを常食していることをつきとめ アンズの種からアミグダリンを抽出し結晶化して「レートリル」と名づけ、ガンの治療に活用。

この治療法は、「レートリル療法」として現在でも行われています。

アミグダリンの作用は、 「体の免疫力や抗病力を高める働きがあるので、普段から充分な量を摂取していれば予防できる」 ことや 「体内にガン細胞がある場合は、正常な細胞には無害で、ガン細胞だけを破壊する」などと明らか にされています。

 

(研究5)

岡山大学、京都府立医科大学、明海大学歯学部とロッテ中央研究所の共同研究「ビワの葉から抗がん物質ー化学構造を特定」(大手新聞でも取り上げられました)

 

(研究6)

高知医大付属病院の研究グループにより「枇杷の種で肝機能改善、ビワエキスが細胞硬化抑制」と発表

 

(研究7)

長崎県立大学ではビワ薬理研究が盛んです。
「枇杷の糖尿病発症抑制効果」「枇杷葉、茶葉および大豆ペプチドの脂質代謝調整に関する研究」「枇杷種子ポリフェノールの二型糖尿病発症抑制」など

 

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